ひょっとして…
杉本昌隆棋士の書いた本である。
師匠である杉本氏を私はテレビや新聞、週刊誌などでお見かけしただけである。
が、何故か藤井聡太くんの並はずれた業績よりも師匠である杉本氏のことが気になっていた。
で、この「悔しがる力」を買う結果となったわけである。
この本の中では師匠も弟子も非常にその悔しい思いを何度となく繰り返し味わい又その思いによってこんにちの地位を築き上げてきた、と書いておられる。
さぞかし私などが思いもよらぬほどの悔し涙を経験されたことだろう。
その中でハングリー精神に訴える指導法は古い、と言って居られるがそれは良く言われていることである。だが私はその意味を良く理解していなかったのではないか?
将棋の世界はもはやAIに乗っ取られた感があり、日本人の美徳と信じている礼儀作法も杉本氏は第一とは考えておられないようだ。それよりも競技の楽しさが優先されると言っておられる。
私は…
まだ型の美しさにとらわれ人生を楽しむことを棚上げしてきたのではないか、とこの本を読んで思ってしまった。